陸路での国境越え
バックパッカーの場合、空路で越えるよりも陸路で国境を超える方が多くなるかもしれません。これから初めてバックパッカー旅をする人だと陸路国境越えはしたことがない人が多いでしょう。でも陸路での国境越えは簡単です。
陸路の場合だと、国際バス、国際列車、国境まで移動して徒歩、のような手段が考えられます。陸路ではないですが、フェリーでの国境越えもあります。以下ではそれぞれについて書いて行きます。
国際バス
国際バスは海外では一般的で楽です。バスがA国の都市からB国の都市まで乗り換えなしで行ってくれます。ヨーロッパでは、シェンゲン協定加入国同士の国境通過であれば途中国境でパスポートチェックもありません。
出発都市のバスターミナルやバス会社でチケットを買って国際バスに乗ります。バスの中でイミグレーションで必要な書類(出国カード、入国カード、税関申告書など)を配られることが多いです。バスは出国イミグレーションの前まで行ってくれます。
イミグレーションに着いたら荷物を持ってバスを降り、出国審査を受けます。出国だと何も聞かれずに出国スタンプを押されるとこが多いです。また、バス内に検査官が乗ってきて全員のパスポートを回収され、しばらくするとまた乗り込んできてスタンプを押されたパスポートが返却されるような国もあります。バス内で待っていればいいだけなので楽です。
アフリカや中南米だと荷物検査をするような国も多くあります。預けた荷物も全部出して、荷物の中身を全部調べられるような検査だと結構時間がかかります。また、アフリカでは外国人はあっさり審査は終了しますが、現地人はかなりみっちり調べられるようなこともあり時間がかかります。
出国審査が終わると、歩いて国境を通過し次の国の入国イミグレーションに行きます。イミグレーション間が離れているような国は乗ってきたバスに再び乗り、バスで入国イミグレーションまで行きます。
入国審査も国によりますが、そんなにがっつり質問されることはあまりありません。せいぜい訪問都市と滞在予定日数くらいで、全く何も聞かれないことも多いです。入国時も荷物検査が行われることがあり、時間がかかる場合もあります。
入国審査が終わったら再び乗ってきたバスに乗ります。後は目的都市に着くまで乗っていればOKです。
国際バスはローカルバスを乗り継いでいくよりも値段はかかりますが、とても楽です。イミグレーションではトイレがあることが多く用を足すことができます。ATMがあったり、両替商がいることも多いので、入国する国の現地通貨をそこで用意できます。
国際列車
国際列車はヨーロッパでは一般的でたくさん乗りました。ヨーロッパ以外だと私は「マレーシア⇔シンガポール」「マレーシア→タイ」「アゼルバイジャン→ジョージア」で利用したことがあります。国際バス同様に、ヨーロッパではシェンゲン協定加入国同士の国境通過であれば途中国境でパスポートチェックもありません。
駅の窓口でチケットを買います。窓口は国内線窓口と国際線窓口とが分かれているようなところもあります。
列車に乗って国境駅まで行きます。
国際列車の場合の入出国の手続きは、私が経験した限りでは以下の3種類。
1つ目は、両国の国境駅で停車し全員下車して、駅にある出国(入国)イミグレーションで審査を受けて入出国スタンプをもらう。
2つ目は、両国の国境駅もしくはどちらかの一つの国の国境駅で停車し、列車内に検査官が入ってきて、各座席で審査を受けて入出国スタンプをもらう。もしくは車両ごとに一度全員のパスポートを回収され、名前を呼ばれたら車両の一番前に座っている検査官のところに行き、審査を受けて入出国スタンプをもらう。
3つ目は、駅で止まらず走行中の列車内で検査官が各座席を回り、審査を受け入出国スタンプをもらう。おそらくこの場合は出国(入国)が拒否された場合、次に止まった駅で降ろされ強制送還されると思います。
私が経験したのは上記の3パターンだけですが、もしかすると他の方法もあるかもしれません。国際列車の場合は荷物の中身を全部出して調べられるようながっつりとした荷物検査は受けたことはありませんが、バスと比べると乗客が多いので、やはり時間がかかります。
国境まで移動し徒歩
「移動費を少しでも安く抑えたい」「そもそも国際バス・国際列車が通っていない」場合は国境までローカルバスなどで移動して徒歩で国境を通過し、入国した先の国で再度ローカルバスを探して乗ります。これもバックパッカーであれば一般的です。
国境までのローカルバスやミニバスは必ずと言っていいほどあります。大抵は最寄りの街から出ているので、まずはその街まで移動してから国境に向かいます。
出国審査は国際バスの時と同じです。ただ必要な書類(出国カード、税関申告書など)は国際バスと違いバス内で配られません。書類を記入する必要がある国では、出国窓口の前においてあるので貰って記入します。
出国スタンプを貰ったら歩いて、次の国の入国イミグレーションに向かいます。その間が距離がある時はサイクルリキシャ、バイクタクシーなどがいることが多いので歩けなさそうな場合は交渉して乗りましょう。シャトルバスが走っていることもあります。
入国審査も国際バスの時と同じです。
入国審査が終わり入国スタンプを貰ったら目的地に行くローカルバスやミニバスを探します。場合によっては最寄りの街に行くものしかない場合もありますが、その場合はその最寄りの街まで行って、そこで目的地に行くバスに乗り換える必要がでてきます。また、バスが走っていない場合もあります。その場合でも最寄りの街までいく乗り合いタクシーはいるはずなので、値段交渉して乗ります。
バスを乗り継いで行く場合は時間がかかったり乗り換えがあったりと面倒くさいですが、国際バスよりも安く行けます。国際バスが出ていないような国もよくあるので、数回は必ず経験すると思います。
その他
イレギュラーなケースかもしれませんが、シリア難民問題が起きている時にヨーロッパを周遊したのですが、普段は普通に走っている国際列車での国境越えが封鎖されている国間の移動を経験したことが1度だけあります。
普通に窓口で国際列車のチケットを買ったのですが、国境目前でストップして全員降ろされました。ストップした場所にシャトルバスが待っていて、そのバスに乗車して国境まで行き、出入国審査を受けた後再度シャトルバスに乗り、駅まで行って国内列車に乗ったことがあります。
陸路国境越えではたまに面倒くさいことが起きますが、それも旅の経験の一つです。多くの場合は簡単なのでそんなに心配するはありません。