安定を捨てる決断ができない
旅に出たいけどどうしようかと悩んでいる人は多いと思いますが、ここでは現在独身でサラリーマンをしている人の場合で考えたいと思います。既婚者である場合、さらには子供がいたりする場合は本人の問題だけではなくなってしまうので、相手とよく話し合って決めるしかありません。
ちなみにですが、世界一周などの長期の旅をしている人ははどのような人か?私が出会った日本人で多いのは休学して世界一周している大学生、そして会社を辞めて旅している25歳くらい~の人で、上は40歳くらいまで幅広くいます。少数ですが、会社を定年退職した60歳以上の人や新婚旅行で世界一周している人なんかにもたまに会ったりします。
外国人の場合は長期休暇が長かったり、転職がよくあるので再就職の間に旅行しているような人も多いく本当にいろんな人がいます。
つまり海外に出てしまえばわかるのですが、会社を辞めて世界一周している人はごく普通にいます。私もその一人です。
さて、私も元1部上場企業のサラリーマンで30歳で仕事を辞めて旅に出たのでよくわかるのですが、会社を辞めるという決断はなかなか大変です。サラリーマンのままでいればアホな顔して働いていても毎月ちゃんと給料が入ってくる。この安心・安定をみすみす捨てることはなかなかできない。ただしその安定はどの程度のものでしょうか?
現在では超大手企業が倒産することもあります。倒産はしなくても大規模のリストラが行われることは珍しくありません。そういった意味では大企業に勤めていても将来が100%安定しているわけではないと言えるでしょう。また、病気や事故のリスクは誰でも常にあります。長期旅行ができないような病気や怪我をしてしまう可能性もあります。そもそもあなたが1年後に生きている確率は100%ではないでしょう。仮に明日病院に行ってガンで余命1年と宣告されたら、おそらく多くの人はすぐに会社など辞めて好きなことをするでしょう。
輪廻転生などの生まれ変わりのシステムがあれば素晴らしいのですが、おそらく人生は一度きりです。病院のベッド上で天井を見上げながら「あれもしたかった。これもしたかった。」と嘆いてももう遅すぎます。長期旅行がしたいのであれば、その期間旅行ができるお金さえあればあとは会社さえ辞めればすぐにできます。
もう一つ、長期の海外旅は思い立った時に行った方が良い理由に物価上昇率があります。物価上昇率が1%程度しかない日本でさえ、運賃の値上げやポテトチップスの量が減っていたり等あらゆるところで値段の上昇を感じることが多くある。しかし海外、特に新興国の物価の上昇は日本の比ではありません。1年前のネット情報の値段が役に立たないほどの勢いであらゆるものが高くなっていきます。為替の影響がありますが、仮に為替レートが変わらなかったとすると、数年後でいいやなどと思っていると現在と同じ資金では行ける所、やれる事は確実に少なくなってしまうでしょう。
人間は欲求を抑えることがなかなかできません。一度旅をしたいと思ってしまったらきっといずれその決断をするでしょう。それなら早い方がいい。
ただし中にはまれにその欲求を抑えつけられる強い精神力を持った人もいます。ここまで読んですぐにやっぱり会社は辞められないと決断できる人はきっとその強い精神力を持っている人でしょう。好奇心よりも安定が大好きな人は旅には向いていません。そのまま今の会社で働いて大好きな堅実と一緒に素敵な平凡人生を歩むのも素晴らしい選択だと思います。